知的財産ってメーカーだけのもの?
ではありません。
確かに、特許(発明)やブランド(商標)やデザイン(意匠)っていう観点からすると、どうしてもメーカーだけのことかなと思われてしまいます。
けど、そんなことないんです。
どんな企業にも「ノウハウ」は存在しますよね?
この「ノウハウ」も、知的財産なのです。
難しい用語だと、「営業秘密」です。
では、どうしたら守ることができるのか。
例えば、「契約書」を交わすことで守ることができます。
分かりやすい例として、大手企業(A社)から下請け企業(B社)へ製造を依頼する場面を想定します。
B社は、長年培ってきた技術(すなわち、ノウハウ)を有しているとします。
A社はその技術が素晴らしいとして、B社へ製造の依頼をします。
最初はそれでよかったのですが、次第にA社からその技術について、B社へ質問が次々に寄せられるようになりました。
B社としてはA社からの質問に対して誠実に回答していきます。
するとどうでしょう。
気が付いたら、A社からの発注が無くなってしまいました。
そして、A社に頼り切っていたB社はほどなく倒産してしまいました。。。
後から聞いた情報では、A社は、コスト削減のため、海外の工場でその技術を使って製造を開始したようです。
ということは、少なくとも夢見物語ではないように感じますが、いかがでしょうか?
では、B社はどういったことをすればよかったのでしょうか。
それは、A社と技術契約を結んでおけばよかったのです。そして、A社に対して、安易にノウハウを教えなければよかったのです。
でも、B社の立場からすると、なかなか難しいですよね。。。
ですが、いつまで経ってもそんな考えでは、御社の長年培ってきた技術を守ることはできません。
技術を守るということは、御社の人財を守ることにもつながります。
技術は人が造るものです。
「技術は人」なのです。
実際、あるベンチャー企業では、しっかりと技術契約を結んで業務を行っている企業もあります。
そんな時には、特許事務所等の法律系の事務所にご相談ください。
個人的には、技術的なことは特許事務所が一番良いとは思いますが、顧問契約をされている場合もあると思いますので、そういった事務所でご相談ください。
新しく取引を始める際には、ぜひ、技術契約書を作成して、技術流出を防いでください。